また、ダブルコア方式の副次的な効果として、屋上部分には約1900坪ものフラットな大空間を確保できた。
一粒で何度でもおいしい、本当に見事なデザインだと思う。
モダンなのに、どこか和の心
ダブルコアと並んで、このビルを象徴するのが、1枚ガラスのカーテンウォールだ。高さ2.4メートル、幅3.2メートル、厚さ1.5センチというサイズで、竣工時日本最大級だったという。今ではすっかり一般的になったカーテンウォールだが、当時はまだ珍しかった。まさに時代を先取りしたデザインだ。
しかも、このカーテンウォールは、よくあるのっぺりとしたものではない。
雨樋をデザインの一部として取り込む発想は、どこか日本的だ。雨の多い日本では、古くから雨水の流れまでもデザインの一部に取り込んできた。
モダンで合理的なオフィスビルでありながら、どこかに日本らしさを感じさせる……まさに、デザインの妙である。



















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