国際組織DOCOMOMOが選ぶ「日本の近代建築20選」に、戦後のオフィスビルとして唯一選ばれたことからも明らかなように、その価値は国内外で高く認められている。
では、何がこのビルをそんなにもカッコよくしているのか。
今回、ビルの魅力を深掘りするために、管理会社・毎日ビルディングの常務執行役員である福田裕一朗さんに、館内外を案内していただいた。
福田さんは、もともと毎日新聞社の営業部門に在籍していたベテラン社員であり、ビルへの愛情がとても深い方だ。4度にわたる取材の中で、福田さんにはさまざまなエピソードを伺い、普段は立ち入れない場所にも特別に案内していただいた。
ビルと40年を共にしてきた福田さんのお話と、書籍『パレスサイド・ビルディング50年史』をもとに、今も色褪せない魅力に迫っていきたい。
劇的な立地、明快な構造、美しいデザイン
まず、ビルの美しさと切っても切り離せない……その魅力を最大限に引き出しているのが、この立地である。
明治時代から有楽町に本社を構えていた毎日新聞社が、皇居をのぞむこの地に新社屋の建設を宣言したのは、1963年10月。
もともとこの場所に東京支社があったアメリカの雑誌社「リーダーズ・ダイジェスト」などとの共同出資による一大プロジェクトだった。



















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