皇居をのぞき込む「竹橋の円筒連結ビル」の実態 モダン・オフィス建築の金字塔「パレスサイド・ビルディング」のすべて

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レンガがつなぐ、2つの“渋イイ”建築

パレスサイドビル
忘れてはならないのは、東西両端のレンガ壁。中は非常階段になっている(筆者撮影)

ダブルコア、カーテンウォールときて、外観の最後の特徴がこのレンガ壁である。何とも渋く、深みのある色合いが美しい。

パレスサイドビル
福田さんが働く毎日ビルディングのオフィス内部。東西端の内側壁面にも同じレンガが使われている(筆者撮影)
パレスサイドビル
ガラスを隔てて、内装と外装が連続している(筆者撮影)

シックな内装の中で、効果的に使われるレンガ壁。

この感じ、どこかで見覚えがあるな……と思っていたら、驚いたことに、

第1回で取り上げた東洋経済本社ビルとこのビルの建築家は同じ人物だった。

日建設計の林昌二(はやししょうじ)である。

東洋経済本社ビル
1961年竣工の東洋経済本社ビル。竣工当時は側面がレンガ壁だった(筆者撮影)
パレスサイドビル
内側の壁面もレンガ壁になっており、使い方が同じだ(筆者撮影)

銀座にあった三愛ドリームセンターや、中野サンプラザの設計でも知られる林昌二。今でこそ大御所として知られているが、1960年代当時はまだ30代。高度経済成長期の日本は、ビル建設ラッシュで若手建築家が活躍するチャンスにあふれた時代だったのだろう。

取材するまで気付かなかったため、うれしい驚きとなった。

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