皇居をのぞき込む「竹橋の円筒連結ビル」の実態 モダン・オフィス建築の金字塔「パレスサイド・ビルディング」のすべて

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カツカレーは鶏ガラベースに、牛すじ、香味野菜を入れて煮込んだもので、隠し味には醤油を使っている。「隠し味まで書いちゃって大丈夫ですか?」と聞くと、「全然大丈夫ですよ」と笑う。

「どの年代でも食べられるカレー、それこそ小学生の女の子でも楽しめる味」を目指しているそうだ。また、カレーだけでも他にビーフ、ポーク、シュリンプとあり、どれも仕込みからこだわって作っているそうだ。

パレスサイドビル タカサゴ
開店当時から変わらぬ黒電話。今もタカサゴにかけるとこの電話が鳴る(筆者撮影)

熊谷さん自身もアラスカで修業しており、他にもスタンダードな洋食がそろっている。長い歴史の中で、カツスパゲティーのように常連さんのリクエストが定番化したメニューもあるという。

花も、タカサゴも、パレスサイドビルになくてはならない名店なのだ。

後編は毎日新聞社のオフィス内部を取材、そして巨大地下空間へ

前編では、機能、デザイン、そして人の営みが、長い歴史の中で美しく共存していることを見てきた。

半世紀を超えてなお、ますます魅力を増すパレスサイドビルは、まさに“渋イイ”の真骨頂だ。

後編では、毎日新聞社のオフィス内部と、かつて輪転機がうなりを上げていた巨大地下空間を中心に訪ね、さらなる“渋イイ”エピソードを掘り下げていきたい。

山田 窓 ライター

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やまだ・まど / Mado Yamada

平成元年生まれ。大学時代を京都で過ごす。60年代のビルやバブル時代の都市計画、奈良や京都の仏像など古いもの好きが高じてライターとなる。2020年からウェブサイト「デイリーポータルZ」を中心に執筆している。

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