「早くしなさい!」とキレる親が楽になれる《感情のメカニズム》、時間と感情の不思議な関係性を知れば、子どもの"のんびり"に振り回されずに済む

✎ 1〜 ✎ 275 ✎ 276 ✎ 277 ✎ 278
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「子どもの支度が進まず怒っている」→「私は遅刻への不安を怒りに変換しそうになっている」

「宿題の声かけをしてもやらない」→「私は子どもが他の子から遅れてしまうという比較意識が刺激されている」

「なかなか寝ない子」→「私の立てた計画が崩れる不安が刺激されている」

この言い換えだけで、行動選択の幅が格段に広がります。不安なら不安への対処法があり、焦りなら焦りを和らげる方法があります。怒りという感情の奥にある本当の気持ちに気づくことで、より建設的な行動を選択できるようになります。というよりも、もはやこの段階では、感情は相当おさまっているはずです。客観的に自分を見ているからです。

子どもへの声かけに使える「言い換え台本」を紹介

このように感情がある程度おさまってきたら、いよいよ子どもへの声かけになります。感情が出ている時に、声かけするとかなりの確率で事態を悪化させてしまいます。ですから、上記のプロセスを経てから次の言い換えを行ってください。

では「言い換え台本」をいくつかご紹介します。

【朝の支度】
「早く!」→「今、先にやるのは顔を洗う・服を着る・荷物をまとめる、どれにする?」

さらに手強い子の場合は、これにもう一つ「やらない」を付け加え4つにします。「やらない」とばかり言う子にあえてこの選択肢を入れておき、それを親の誘導によって選ばされたという構造を作ります。すると、子どもは天邪鬼なので、それを選べなくなります。

【宿題の声かけ】
「まだやってないの?」→「10分タイマーで最初の1問を一緒に始めてみようか」

「やってみよう」ではなく「やってみようか」の「か」が重要です。この一文字が入るか入らないかで子どもの心への伝わり方が変わってきます。

【ゲーム時間の終了】
「いい加減やめなさい!」→「この曲が終わったら終了ね。次はお風呂と歯みがき、どっちにする?」
【きょうだい喧嘩】
「やめなさい!」→「今は取り合いの解決と、それぞれの言い分を聞くの、どちらを先にしようか?」

このように台本を事前に準備しておくと、とっさの出来事があっても口から自然に出てくるようになります。しかし日頃から感情をある程度おさえてからでないと、このような言葉は出てきません。一旦、感情のトーンを下げてから、これらの言葉をかけていきます。くれぐれも、その点だけは心に留めておいてください。

この連載の記事一覧はこちら
石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育専門家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4500人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、カフェスタイル勉強会Mama Cafe(累計1万3千人のママさん参加)、執筆、講演を精力的に行う。教育学修士(東京大学)。著書に『子ども手帳』『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』『子どもを育てる7つの原則』など国内30冊、海外13冊。音声配信Voicyでは「子育てランキング1位」の人気パーソナリティを務めている。

講演、執筆相談はこちらから。

石田勝紀公式サイト

ブログ

Facebook

Voicy

Instagram 

X

 

 

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事