「早くしなさい!」とキレる親が楽になれる《感情のメカニズム》、時間と感情の不思議な関係性を知れば、子どもの"のんびり"に振り回されずに済む

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この「時の感情連結」を観察するために、まずは3日間だけ「時間×出来事×感情」を記録してみてください。正確に詳細に書こうとする必要はありません。メモ程度で十分です。

「7:20/支度が進まない/焦り→怒り」
「19:00/宿題の声かけ/ため息→諦め」
「21:30/子の笑い声/安心→ワクワク」
「22:00/なかなか寝ない子/不安→イライラ」

たった3日分を見返すだけで、驚くほど規則性が見えてくるはずです。自分なりの感情の時間割が見えてくれば、事前に心の準備ができるようになります。この時間割がわかってくると、意外といくつかの感情パターンの中で自分は生活していることがわかります。

親の感情を揺さぶる、「4つのトリガー」

では次に、なぜ、自分はそのような感情を発しているのだろうかと考察します。

37年間の教育指導を行い、この10年間で1万5000件の子育て相談を受けた経験から、親の感情を揺さぶる代表的なトリガー(感情の引き金)があると感じています。

1. 時間圧(締切・遅刻)→朝の支度時間、出発前、就寝前など 
2. 比較刺激(SNSや周囲の子)→他の家庭の様子を見聞きした直後 
3. 統制欲(予定通りに進まない)→立てた計画が乱れた時 
4. 評価不安(子どもの様子から自分が評価されるのでは)→テスト前後、面談の時期

このように自分の感情を動かすトリガーは何かを考えてみてください。だいたいこの4つのいずれかであることは少なくありません。トリガーを「名指し」できるだけで、感情の強度は弱まります。名前をつけられたものは扱えるからです。「ああ、今は時間圧トリガーが働いているな」と客観視できれば、マイナス感情は後退し、そもそも飲み込まれずに済みます。

「7:20/支度が進まない/焦り→【怒り】←時間圧」
「19:00/宿題の声かけ/ため息→【諦め】←比較刺激圧」
「21:30/子の笑い声/安心→ワクワク」
「22:00/なかなか寝ない子/不安→【イライラ】←統制欲」

上記の名指しができれば、最後はラベリングの変更を行います。

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