痛烈批判を浴びていたドジャース佐々木朗希が紆余曲折の果てに「復活」するまで

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佐々木はオフにポスティングシステムでのMLB挑戦を球団に訴え、承認される。入札の結果、入団が決まったのは大方の予想通りドジャースだった。ポスティングシステムでのMLB移籍は球団が承認すれば認められるが、26歳未満または実働5年未満の選手は、MLBではマイナー契約しか結べない。

ポスティング移籍ではMLB球団からNPB球団に契約額に応じた譲渡金が支払われる。前年、オリックスからメジャー契約でドジャースに移籍した山本由伸のケースでは、オリックスに約70億円の譲渡金が支払われた。年俸総額の2年分にあたる。しかしマイナー契約の佐々木の場合、ロッテに支払われたのは2億円だった。

規定投球回数に達したことがなく、シーズン通して投げたことのない佐々木には、スタミナ面や経験値の面で、多くの懸念の声が上がった。

ドジャースに移籍も苦しい展開に

そんな中でドジャースに移籍した佐々木は、東京ドームでの開幕第2戦に先発登板。以後、先発陣の一角として投げたが、成績は芳しいものではなかった。

8登板1勝1敗34.1回29被安打6被本塁打22与四球24奪三振、防御率4.72

佐々木の持ち球はフォーシームとフォーク(MLBではスプリッター)、スライダーの3つだけ。少なくとも6~7種類はあるのが普通のMLBの投手に比べて非常に少なかった。

このうち決め球のフォークがストライクゾーンに入らなかった。佐々木はストライクを取るためにフォーシームを「置きにいく」ようになり球速が落ちた。これを打者に捉えられる悪循環で、次第に追い詰められていった。

5月13日、インピンジメント症候群を発症した佐々木はIL(負傷者リスト)入り。リハビリを経て、AAAオクラホマシティで調整登板を始めた。
しかしAAAでの先発登板の成績は、MLBよりもさらに悪く防御率は6.10だった。

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