シードステージ、資金調達ラウンド、デカコーン、VC…イチからわかるベンチャー業界「超入門」

革新的な製品やサービスの提供によって急成長を目指す新興企業を「スタートアップ」または「ベンチャー」という。既存ビジネスの枠内で営まれるスモールビジネスとは異なり、ベンチャー業界には独特の産業生態系(エコシステム)が形成されている。業界を理解するための基礎知識を解説していこう。
成長段階は大きく4つに分けられる
ベンチャーの成長段階は大きく4つに分けられる。まず「シードステージ」は、会社設立前の事業アイデア構想段階から、市場調査やプロトタイプの開発を通じて仮説検証を進める時期まで。社員は創業メンバーの数人にとどまる場合も少なくない。
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「アーリーステージ」では、製品やサービスの提供が始まり、エンジニアや営業部員を増員しながら組織化が進む。市場や顧客に受け入れられるかどうか、いわゆるプロダクト・マーケット・フィット(PMF)を模索する段階であり、多くは赤字経営が続く。
赤字が続く中でも事業が軌道に乗り始めれば「ミドルステージ」に入る。人事や広報といったバックオフィス機能を整備し、従業員は数十人規模に拡大する。
「レイターステージ」は成熟段階で、IPO(新規株式公開)やM&Aによるイグジット(出口戦略)を視野に入れる。上場を見据えた事業計画の策定や、労務管理、ガバナンス体制の強化が課題になる。
成長の各段階に応じ、ベンチャーは新株発行などを通じて投資家からリスクマネーを調達する。「シリーズAラウンド」といった表現は、この資金調達の段階を指す。目安として、シードは数百万〜数千万円、アーリーは1000万〜数億円、ミドルは数億〜10億円程度、レイターは数十億円以上が一般的だ。ただし金額は業種や事業領域によって大きく異なる。
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