
「再来年には、うちの事務所は北広島市に移転するんですよ」。コロナ前、筆者は「春季キャンプガイドブック」というムックの企画、編集を行っていて、オフシーズンに12球団の事務所を回っていた。初秋、早くも積雪となった北海道、札幌ドーム横の日本ハムの球団事務所で、広報担当者からこの話を聞き、筆者はさっそく、札幌からJRで20分ほどの北広島に行ってみた。
一面雪景色の北広島は、札幌のベッドタウンと言うよりほかに特色はなかった。食事をしようと思ったが、駅前の小さなショッピングセンターの小さなフードコート以外に、何か食べられそうな店はなかった。「こんなところにプロ野球の球場ができるのか?」と疑問に思ったのを覚えている。

2022年には新千歳空港から札幌駅に向かう列車で左の車窓に巨大な建造物が見えるようになった。この時期にも北広島に降り立ち、現地まで歩いたが、川を渡り、線路をくぐり、林の向こうに巨大なガラス張りの建物が姿を現したときには、心が震えた。この一地方都市に、巨大なスタジアムができるのだ、と実感した。
エスコンフィールド周辺の開発が進む
2023年の開場から、筆者は何度も「エスコンフィールドHOKKAIDO」に足を運んでいるが、行くたびにスタジアムも、その周辺も大きく変貌していることを実感する。とりわけ今年である。
まず、JR北広島駅の駅前に、おしゃれなフードコートのある商業施設「トナリエ北広島」がオープンした。運営はエスコンフィールドのネーミングライツを買った不動産会社のグループの株式会社エスコン開発。ここは、スタジアム内に比べるとあまり混んでいないので、食事を済ませる穴場になっている。
スタジアムの周辺は「Fビレッジ」として整備されているが、見るたびに新しい建物が立っている。
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