「テーマパーク作り」という共通点はあるが…。大絶賛「エスコンフィールド北海道」と賛否ある「ジャングリア沖縄」の大きな違い

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球場横に新たにできた飲食ビル(写真:筆者撮影)

Fビレッジの入り口には介護付き賃貸マンション「マスターズヴェラス 北海道ボールパーク」が竣工し、昨年6月から入居者を募集している。2028年には北海道医療大学が「Fビレッジ」に移転することが決まっている。医療体制の充実は、この物件にとって大きな強みのはずだ。

介護付き賃貸マンションもできた(写真:筆者撮影)

さらに球場に隣接して回転すしやスターバックス、ピザの店が入るビルもできた。スタジアム内の店舗もさらに充実している。

観客数も年を追って増加している。エスコンフィールドができた2023年は平均で2万6515人、24年は2万8830人、そして今年は3万1000人に迫っている。エスコンフィールドの観客席数は2万9000で、入場キャパ自体は3万5000。すでに席は埋まって立ち見客が出ていることになる。

日本ハムは1年目から「平日のデーゲーム」という、プロ野球の常識では考えられない興行を行ってきた。修学旅行生などの取り込みと、これまで球場に足を運ばなかった主婦層などの獲得を狙ったものとされるが、23年は2万7000人前後だったのが、24年は2万9000人台、そして今年は3万人超と確実に定着している。

野球場を核とした「テーマパーク」作り

さらに、エスコンフィールドHOKKAIDOは試合がない日も、観客を入れている。筆者は何度か足を運んだが、のんびりした空気の流れる中、家族連れがスタンドに座って練習をするファイターズの選手を眺めたり、球場内の飲食施設で食事をしたり、エリア内のスイーツの店に集うなど、試合日とは違った楽しみ方が定着していることを実感する。

要するに「ボールパーク構想」とは、野球場を核とした「テーマパーク」を作ることなのだ。野球がある日は観戦する客が集うが、野球がない日も、美しいスタジアムの風景や、食事や、さまざまなアクティビティを愉しむことができる。

さらには、スタジアム周辺には、商業施設などが立ち並び、新しい「町」ができあがるのだ。

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