
湘南の街を取り込み、街とつながる商業施設「テラスモール湘南」(筆者撮影)
波の音と海風が、心地良い。海を感じながら、人々が豊かに暮らしている。この街にいると、自然と気分が明るくなる--。
湘南の海に一度は行ってみたいと、日本中の人が憧れる場所だ。
さまざまな街にある商業施設を、「どのようにして街を変えたか」という観点からレポートする本連載。今回は「辻堂」周辺を歩く。
前編では、辻堂駅前に位置する「テラスモール湘南」が、湘南の街を取り込んだ商業施設であることを述べた。
湘南の街は、どのようにして"湘南らしさ"を形作ってきたのだろうか。そして、"湘南らしさ"を取り込んだ「テラスモール湘南」は、どのような経緯で開発されたのだろうか。
どこまでを「湘南」と呼ぶかは度々議論を巻き起こしているが、今回は「テラスモール湘南」のある藤沢市を中心に、街の歴史をたどっていく。
東京・横浜からのアクセスが鍵を握った
藤沢市には、東海道五十三次の6番目の宿場である藤沢宿があり、宿場町として発展してきた。戦国時代から交通上の要地であったが、1601(慶長6)年に駅制が定められるにあたって、藤沢宿として整備された。
1887(明治20)年、東海道線の藤沢停車場が開設され、鉄道が開通する。従来、藤沢から東京や横浜へ行くには東海道を歩くか、人力車や馬車で移動していた。それが鉄道の開通により、数時間で京浜に出られるようになった。
東海道線の開通により、街の賑わいは藤沢宿周辺から藤沢停車場の周辺へ移っていった。
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