茂木健一郎さんの著書『I_K_I_G_A_I』(生きがい)がドイツで爆売れの背景事情 茂木さんが語る"AIの今"

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アメリカの有名なベンチャーキャピタルが主催する会議で基調講演を依頼されたり、海外のポッドキャストのインタビューを受けたり、私があるツイートをしたことがきっかけで原稿依頼が来たりと、こうした英語圏の仕事が増えたことによって、ますます私のチャレンジ精神が磨かれているなと実感しています。

これもまた、100以上のことにチャレンジした結果、残ったものだからこそ、全力で楽しみながらチャレンジができているのです。

そしてもう一つ。

そんな選択力を身につけるおすすめの方法として、「自分の直感を信じて選択してみる」ということを挙げておきたいと思います。

ありがたいことに、私のもとには日々ほんとうにさまざまな仕事の依頼が舞い込みます。可能であれば、すべての仕事を引き受けたいのですが、私の体は一つしかないので、ときにはお断りしなければならないことがあります。そこで必要になってくるのが直感力です。

直感を信じて選択することは脳科学的にも理にかなっている

直感で選択ができる人というのは、どんなチャンスも生かすことができますし、自分が決めたことであればどんな結果であれ悔やむことはありません。

最近多い海外での仕事もそうですが、私は以前、NHKの連続テレビ小説『花子とアン』に出演しました。

当然ですが、演技は初めてで緊張もすれば不安もありました。でも、そんな「アウェー」の場所でのチャレンジというのは、脳を覚醒させる絶好のチャンスでもあるのです。

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もちろん、仕事をやる上ではある程度うまくやることも大事ですが、自分のなかのアマチュア精神を起動して、どんなことも自分の直感を信じて思いきってチャレンジしてみて、「どんなことなら自分を変えられるのか」と選択力を養うことも脳を覚醒する上で必要なことなのです。

自分の直感を信じて選択してみるということ。

これは、脳科学的に考えても理にかなっています。

というのも、直感力とは外部からの刺激が無意識に収まる膨大な情報や記憶とつながり、うまく関連づけられて意識に上ってくる脳の機能の一つだからです。

そう考えれば、何か新しいことにチャレンジするとき、ある程度はAIに頼ってみる。でも、AIにはできない選択や判断を迫られたときには自分の直感を頼りに選択してみる。これも人間の脳ならではの判断です。

茂木 健一郎 脳科学者

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もぎ けんいちろう / Kenichiro Mogi

1962年生まれ。脳科学者。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学大学院特任教授(共創研究室、Collective Intelligence Research Laboratory )。東京大学大学院客員教授(広域科学専攻)。屋久島おおぞら高校校長。『脳と仮想』(新潮社)で第四回小林秀雄賞、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第十二回桑原武夫学芸賞を受賞。著書に、『「ほら、あれだよ、あれ」がなくなる本(共著)』『最高の雑談力』(以上、徳間書店)『脳を活かす勉強法』(PHP 研究所)『最高の結果を引き出す質問力』(河出書房新社)ほか多数。

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