茂木健一郎さんの著書『I_K_I_G_A_I』(生きがい)がドイツで爆売れの背景事情 茂木さんが語る"AIの今"

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レックス・フリードマンという人物をご存じでしょうか。

レックス・フリードマンは、AI研究やコンピューター・サイエンスに長たけているMITの研究者です。ポッドキャスト上のインタビューをYouTube チャンネルでも配信していて、登録者数は約250万人を誇ります。

日本ではあまり知られていませんが、アメリカではフリードマンのような超一流のポッドキャスターが日々有益な情報を発信しており、そうした情報を選択することで世界最先端のビジネスの潮流をインプットし、自らのビジネスに活かしているというのが「バカの壁」=「AIの壁」の向こうで日常的に起こっている事実なのです。

情報収集の方法、もう1つの提案

もう1つ、情報収集として提案したいのが、英語圏にあるAI関連のトップランナーたちのXをフォローするということ。たったこれだけで世界トップレベルで何が議論されているのかがほぼ理解できるようになります。

例えば、イーロン・マスクのAIに関する重要な動画なども、AI研究者たちがつぶやいていたり、AIに関する海外の論文を読むときでも、論文の要約がⅩで飛び交っているので理解しやすいというメリットもあります。

私自身、こうしたAI関連のトップランナーたちのXをフォローするために英語のアカウントを持っていて、「今、世界最先端のAI分野でどんなことが起こっているのか」をリアルタイムで情報収集しています。それこそ、AIが今のように大ブレイクするずっと前からです。

ここまでは、いかに有益な情報を選択するかについて述べてきましたが、私がこの本で伝えたい、もう一歩先を行くお話があります。

先に紹介したレックス・フリードマンがイーロン・マスクに注目されたことで、一気に世界的に有名になったあるエピソードがあります。それは、フリードマンが書いた論文を読んだイーロン・マスクが、「こいつ、いいこと書いているじゃないか」といって称賛したのです。

つまり、フリードマンは自分が自信を持って発信した有益な情報をイーロン・マスクのような成功者の目に留まったことで世界的にも有名な研究者の仲間入りを果たしたのです。

「いやー、自分がどんな情報を発信したって、イーロン・マスクのような人物がその情報を拾ってくれるはずがない」

そんなふうにはじめからあきらめてはいませんか。

いえいえ、とんでもない!

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