葛飾区の「老舗和菓子店」運営会社が廃業した"意外な背景"。原材料高騰に加え、埼玉県八潮市の事故影響も…。2025年の「休廃業・解散件数」の行方は

2025年1~8月に休廃業となった企業のうち、保有資産の総額が債務を上回る状態で休廃業した件数=「資産超過型」の割合は64.1%を占め、2016年以降で最高となった。
また、休廃業する直前期の決算で当期純損益が「黒字」だった割合は49.6%だった。8月までの速報値ながら初めて50%を下回り、集計を開始した2016年以降で過去最低を更新した。このように2025年の休廃業・解散動向は総じて、直近の損益が悪化した企業が少なくない。
コロナ禍前半には、持続化給付金や雇用調整助成金など「給付」による手厚い資金繰り支援策があり、企業の休廃業・解散件数は抑制された水準で推移してきた。しかし、2023年以降は各種支援策が徐々に縮小され、各種物価高や後継者問題など多くの経営課題にも直面した。
こうした厳しい事業環境のなかで、近時は経営者の再挑戦や、引退後の生活基盤の保証などを目的とした「円満な廃業」を後押しする動きが進み、官民による廃業支援が充実してきた。
このため、自社の事業や業界全体の将来を見通せず、「現状のままではさらなる業績悪化は不可避」と判断した中小企業で、手元資金に余裕があるうちに会社をたたむ「あきらめ廃業」が増加した可能性がある。
生保代理店の休廃業・解散は増加が顕著
業種別では、「その他」を除く7業種すべての休廃業・解散件数が前年から増加した。最も件数が多い「建設業」(5938件)は、前年から6.5%増加し、年間では2016年以降で最多を更新する可能性がある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら