傾きマンション、三井不の補償案は「妥当」か 住民はどう対処すべき?専門弁護士の見解

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今回のようなケースで、住民はどう対処すればいいのだろうか

三井不動産グループが販売した横浜市都筑区の大型マンション「パークシティLaLa横浜」(2007年竣工)で、4棟のうちの1棟が傾いていることが発覚し、建物を支える杭打ちのデータが改ざんされていたことがわかり、大きな問題となっている。マンションを販売した三井不動産レジデンシャルは10月27日、住民に対して補償案を示した。

報道によると、マンションを建て替える場合は、傾きが発覚した1棟を含む4棟すべての建て替えを実施する。建て替え後、住民は以前と同じ部屋に入居することができ、工事の間の仮住まいにかかる家賃や引っ越し代金などは、すべて三井側が負担する方針だという。また、転出を希望する住民については、建て替え後の新築販売価格で買い取るという提案をした。

また31日の住民説明会では、慰謝料として1戸当たり300万円支払うことも明らかにしている。

問題のマンションでは、建物を支える52本の杭のうち、少なくとも8本が強固な地盤に届いておらず、地盤に打ち込まれた深さが不足していた。ところが、施工した旭化成建材がデータの改ざんをおこなっていたため、建築時の検査で見抜くことができなかった。元請けの三井住友建設の地盤調査によると、傾いた棟に新たな施工不良は見つからなかったという。今後は、残りの3棟でも調査を進める予定だ。

「データの改ざん」と「建物の安全性」は別の問題

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

今回のようなケースで、住民はどう対処すればいいのだろうか。また、補償については、どう考えればいいのか。建築紛争の問題に詳しい福島敏夫弁護士に聞いた。

「住民の方は、こういうときこそ、できる限り冷静になって事態に対処してほしいと思います。念頭に置いてほしいのは、『データの改ざん』と『建物の安全性』とは別の問題であるということです。

今回問題になっている建物の傾きは、現状では、ただちに危険なレベルまでは達していないようです。また、通常、建物の構造計算は、かなり安全性を重視しています。現在住んでいる建物に傾き等の不具合が特にみられないということであれば、基本的には、施工会社の調査結果を聞くまでは、安心して住み続けてもよいと思います」

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