就職氷河期真っ只中に万全の対策で大手企業内定→いろいろあって40歳で一橋大学院に進学した野心的な彼女が次に見据える目標

✎ 1〜 ✎ 148 ✎ 149 ✎ 150 ✎ 151
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

大学院修了を生かして、現在も企業で活躍する彼女の人生は順風満帆に見えるかもしれません。しかし、実は2024年から彼女は人生で初めての「浪人」を経験します。それが、東京大学大学院情報学環・学際情報学府の博士課程に落ちての「博士課程浪人」でした。

目標は大学教員・社外取締役

大学入試・編入試験・大学院の修士課程までは、一発合格続きだった田中さんが、博士課程の入試でつまずいた理由を、本人に聞いてみたところ、「英語と計画書の甘さ」と答えてくれました。

博士課程浪人を決めた彼女に、浪人を決意した理由を聞くと、「自身のキャリアの目標が社外取締役になることだから」と返ってきました。

「社外取締役は、士業・学識経験者または執行能力の高い経営者が主流で、取締役に選任されるためには、スキルマップ上でそれぞれの候補者の専門性を吟味されます。今後、各企業では女性の役員比率を上げる波がさらに強まっていくのではないかと考えています。私が社外取締役のオファーを受ける可能性を高めるためにはどうしたらいいのかと考えたとき、その一つの道に大学教員があると考えました。

私自身、大学での学びにおいて素晴らしい師に指導を受け、今日があることも大きいです。修士課程に進学を考えたときのきっかけも、かつて和歌山大学、滋賀大学時代の恩師にかけてもらった言葉や師のキャリアのおかげです。現在の大学教育においては、教員採用のためには博士課程を修了することが必要そうだと募集要項等から判断したのです。博士課程への進学ができれば、私は業務執行・実務経験と学位取得見込みが得られ、社外取締役に選ばれる可能性を上げることができます」

現在は、博士課程受験を見据えて、中学英語からやり直しする時間を毎日最低1時間確保しているという田中さん。2025年度は仕事の多忙化により受験が叶いませんでしたが、今年は社会人の博士課程学生に対して理解や支援を得られそうな3つの大学の博士課程受験に向けて動いています。

次ページ彼女が感じた浪人の意味
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事