金沢が観光ブームで地価も急騰 地方都市の課題を乗り越える「交通インフラ」の変容

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少し前までは金沢もタクシー乗務員が足りず、稼働台数が少ない状態だったという。しかし、能登半島地震以降、ドライバーが急増した。金沢で県下最大規模の台数を持つ「石川交通」の広報者はこう説明する。

「能登半島地震以降、タクシー特需と言われた時期がありました。地震の調査のため、損害保険会社の調査員達や復興支援に関わる人々がタクシーを利用して、金沢から能登へ毎日向かっていたためです。100台以上が、3カ月以上にわたり毎日能登へ向かうため、『今のタクシーは稼げる』という話が出回り、応募者が急増しました。

我々にとってありがたいのは、ぐっと増えたドライバーの方が定着してくれていることです。外から来た人がタクシーが多いと感じるのは、乗務員を確保できたことで稼働率が高くなり、“寝かしている車両”が少ないからだと思いますね」

タクシー利用で金沢駅周辺の移動が便利に(筆者撮影)

金沢から1時間の加賀温泉郷にも活気が戻る

かつては年間250万人が訪れる人気観光地であったが、次第に客足が遠のき廃業者が相次いだ加賀温泉郷。片山津温泉、山代温泉、山中温泉の3つの温泉地を加賀市内に有する、北陸有数の温泉地でもある。

金沢から在来線で1時間程度というこの場所は、1990年代前半をピークに、宿泊者は半数近くまで激減した。だが、昨年頃から少しずつその活気を取り戻しつつある。

その理由の1つは、2024年3月に北陸新幹線「加賀温泉駅」が開業したことが挙げられる。

山中温泉の宿泊者数が2023年の27万人から新幹線開通後は30万人に届いた。現在は関西方面からの乗り換えが必要なため、関西からの宿泊者数は減少しているというが、民間の努力で魅力ある街づくりを目指している痕跡は見て取れた。

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