2019年に金沢を訪れた観光客は1000万人を突破。2023年には石川県全体で約2153万人を記録するなど、観光も経済成長の一翼を担っている。平日にもかかわらず、多くの外国人観光客でにぎわっていた近江町市場の店主は言う。
「コロナ明け後は、平日でもお客様でにぎわう状態になっています。まだ能登半島地震の影響で関西からのお客様が戻っていないにもかかわらず、この状況です。人気の飲食店だと、お昼時は1、2時間待つということはザラです。北陸新幹線開通の影響は、相当に大きかったことは間違いないですね」

不動産価格は20年前から倍に
その余波は、不動産価格にも反映されている。金沢市の不動産会社の社員がこう説明する。
「2015年頃から毎年右肩上がりで価格の上昇は続いています。特に金沢駅付近は、20年前との比較でほぼ倍となっているほど。同時に中古マンションの市場も活性化しており、ファミリー層向けの大きめの間取りの物件の人気が高い。率直に言ってバブルに近い状態です。もっとも、この状況が長く続くとは思ってはいませんが…」
だが、決して課題がないわけでもない。市は早々にコンパクトシティ政策を掲げ、中心地への都市機能を集めるべく努力してきた。一定の効果はあったが、市内の移動の際に右往左往する観光客の姿もあった。
移動はバスがメインにはなるが、昨今の運転手減を受けて、ダイヤはかなり減少している。特に夜になると、バスの本数は目に見えて減り、22時台前半には終バスとなる。
その影響を受けているのが、市内最大の繁華街である片町だ。金沢駅からは少し離れており、タクシーで5分程度の距離に位置する。
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