軽井沢「タクシー不足」を解消した"3本の矢"作戦 ライドシェアに「GO」…官民連携プロジェクト

✎ 1〜 ✎ 53 ✎ 54 ✎ 55 ✎ 56
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
JR軽井沢駅前で待機する地元タクシー。11月後半の平日正午の様子(筆者撮影)
JR軽井沢駅前で待機する地元タクシー。11月後半の平日正午の様子(筆者撮影)

タクシーがつかまらない――。

日本を代表する別荘地であり、また年間800万人規模の観光客が訪れる長野県軽井沢町。コロナ禍以降に観光需要が一気に回復する中で、タクシー不足を訴える声が高まっていた。

その解決に向けた切り札として、2024年2月に締結された連携協定が「軽井沢タクシー供給強化プロジェクト」だ。

町役場、タクシー協会、商工会、観光協会、ホテル旅館組合、そしてタクシーやライドシェアアプリを提供する「GO」による官民連携プロジェクトである。

2024年2月に行った、タクシー供給強化に対する連携締結式の模様(写真:軽井沢町)
2024年2月に行った、タクシー供給強化に対する連携締結式の模様(写真:軽井沢町)

特徴は、「3本の矢」施策であること。「既存タクシー車両への、タクシーアプリ『GO』の導入」「日本版ライドシェアの早期実施」、そして「隣接地域からの応援隊派遣」を、ほぼ同時に進行していることだ。

タクシー需要の繁忙期であるゴールデンウィーク、夏休み、そして紅葉の時期を経て、一定の成果が出たと同時に、今後に向けた課題も見えてきたところで、軽井沢町役場と民間事業者を取材し、その実情について詳しく聞いた。

JR東日本、西武ホールディングスとともに

「軽井沢タクシー供給強化プロジェクト」の議論が始まったのは、2023年の夏過ぎ。

それまでも、軽井沢町の最上位計画である「第6次軽井沢町長期振興計画」の中で、観光客を含む地域移動のあり方についてビジョンを示してきた。

その一環として、2023年度(令和5年度)は「回遊軽井沢」を実施していた。これは、JR東日本と西武ホールディングスが実施していた、AIオンデマンドの地域・観光型MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)である。

その知見を活用して本年度から始まったのが、軽井沢町独自の施策である既存タクシーを活用したオンデマンド交通だ。

この記事の画像を見る(8枚)
次ページ観光シーズン以外でもタクシー不足は慢性化
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事