
ここで、フクロウを迎える際に必要なものを確認しておこう。
フクロウの生体価格は種類によって違い、6万円から50万円以上と幅広い。飼育用品も、止まり木などにつなぐ「係留飼い」か、「ケージ飼い」かで違うという。
「係留飼い」なら、つないで飼育するための止まり木(ファルコンブロック)、そこにつないでおくため足首に装着する器具(アンクレット)と係留用ロープ(リーシュ)、手に乗せるためのグローブ(ファルコングローブ)、いざというときに連れ出すためのクレート(箱形のハウス)、ペット用トイレシート。げんさん一家の場合、これにエサ用小型冷蔵庫と空気清浄機を追加した。

「ケージ飼い」ならフクロウ用の広めのケージが必要になる。小型フクロウの場合、こまめな体重管理が必要なので、これに体重計も追加すべきだろう。
毎月のエサ代は、小型なら5000円程度、大型になると1万5000円程度かかる。
・止まり木(係留飼いの場合)
・アンクレットとリーシュ(係留用)
・外出用クレート
・ファルコングローブ
・トイレシート
・フクロウ用ケージ(ケージ飼育の場合)
・エサ(冷凍ウズラ、マウス、ヒヨコなど)
・エサ用冷凍庫(価値観による)
・空気清浄機(あったほうがベター)
一度の診察で3万円ほどかかることも
飼育に当たって欠かせないのが、動物病院だ。鳥類、特に猛禽類を診察できる獣医は多くない。ガルーの場合、緊急でなければ訪問診療の獣医に診察してもらっている。その獣医師は水族館で働いていた経験があり、家畜全般を幅広く診察できるという。
「鼻水がなかなか止まらないことがあって、来ていただいたことがあります。結局は常在菌が繁殖していただけでしたが、一度の診察で交通費も合わせて3万円ほどかかるので、覚悟しなければなりません」
子どもたちはフクロウの雛に興味深々で、ガルーのそばから離れない。最初は遠巻きに見ていた妻も、徐々に世話をするようになった。ガルーを連れて家族で出かければ、たちまち周囲に人だかりができる。大けがをした際には、心配のあまり家族全員が付き添い、車で3時間かけてガルーを名古屋の総合病院まで運んだ。
こうしてガルーは家族にとってなくてはならない存在となっていく。しかしフクロウという生き物の本能が、徐々に家族の在り方を変えていった。
後編『「パパ以外の家族を攻撃」「専用部屋で"一匹時間"を好む」「ストレスが命取りに」ーー≪フクロウ≫と暮らす家族に聞いた"苦労と癒し"』では、ガルーの生き方を尊重した現在の家族の暮らしを紹介する。


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