げんさん一家が迎えたのはベンガルワシミミズクという大型種で、野生ではヒマラヤ山脈からミャンマー西部・南はインドまでの広範囲に生息している。

ちなみになぜ大型種に決めたのかと聞くと、「大きいフクロウのかっこよさに魅かれたから」という答えが返ってきた。もちろんそれだけではない。小型のほうが繊細で、こまめな体重管理をしてエサの量を調整しなければならないという飼育の難しさへの懸念もあった。さいわい自宅は持ち家で、比較的飼育スペースにも余裕がある。
トレードマークの大きな一対の目は人間の10倍もの視力があるとも言われ、夜間でも昼間と同じように見えるのだという。
現在、飼育が許可されているのは国内外で法律の下に繁殖された一定の種だけ。たとえけがをしたフクロウを拾ったとしても、許可なく飼育することは禁止されている。ペットとして購入するには、フクロウを販売しているペットショップやフクロウカフェに行くか、信頼できるブリーダーを探さなければならない。
吸い込まれそうな美しい目や哲学者のように落ち着いた佇まいに、「飼ってみたい!」と思う人も多いだろう。

しかし実際にフクロウを飼うためには、どうしても越えなければならない壁が存在する。エサだ。彼らは肉食で、新鮮な生肉しか食べないのだ。
かわいいけど大変!フクロウ飼育の苦労
フクロウを飼うためには、冷凍のマウス、ウズラ、ヒヨコなどをエサとして購入し、食餌のたびにさばいて与えなければならない。冷凍して販売されたエサの写真を見るだけで、そのハードルの高さがわかる。
「僕は全然平気でしたよ。ブリーダーさんのところでさばき方を教えてもらって、自分で1~2回やってみたら、すぐに慣れました。逆に、命をいただいていることを実感します。これをやらなきゃガルーが生きていけないんですから。フクロウ仲間でも、慣れないって人は聞いたことがありません」
ならば、家族もできるようになったのかと聞くと、げんさんは口ごもる。
「いや、結局100%僕がやってますね。ガルーを飼い始めるときも、妻が人間用の冷凍庫に入れるのは絶対に嫌だって言って、結局ガルー用に冷凍庫を買いましたよ。僕は気にならないんですけどね」
これについては、ご家族に同意する。
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