QOL爆アゲ! 成長は目指さずイヤな人とも関わらず「幸せに生きる」ことだけを考える《常識外れの起業スタイル》の始め方

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ライフスタイル起業
お金も時間もかけず、ちょっとした特技やこれまでの人生で手に入れてきた知識やスキルを活かす形で事業を立ち上げる「ライフスタイル起業」に、熱い視線が集まっている(写真:AKO/PIXTA)
できるだけ元手をかけず、成長は目指さず、人とも極力関わらない――。そんな“非常識”な起業スタイルがいま、世界で注目されている人生の幸福を追求することを目的とした「ライフスタイル起業」研究の第一人者が解説する、新しい稼ぎ方とは? 本記事では、高橋勅徳氏の『ライフスタイル起業』から一部抜粋・再編集して紹介する。

事業計画もマーケティングも必要ない

あまりお金も時間もかけず、ちょっとした特技やこれまでの人生で手に入れてきた知識やスキルを活かす形で事業を立ち上げるという、新しい起業スタイル「ライフスタイル起業」が今注目されています。

「ライフスタイル起業」とは、簡単に言ってしまうと、家族との生活や趣味の充実、人生の質の向上を目的とした起業スタイルです。2000年代初頭、主にニュージーランドやオーストラリアの、アウトドアスポーツや観光ガイドを生業とする人たちの幸福度(well-being)が高いことに注目されて提唱されました。

上場してできるだけ会社を大きくする、お金を稼ぐといった、いわゆる企業家が目指す方向とは真逆のスタイルとして注目され、静かに世界に広まりつつあります。

ライフスタイル企業家を端的に表現すると、自分の趣味や特技を利用して起業し、充実した生活を手にした人々となります。日本でいえば、ライフスタイル企業家のイメージに最も近い存在はYouTuberやTikTokerなどの動画配信者でしょうか。

ただ、「一攫千金ではなく、小さな軽いニーズをつかまえて、そこそこのお金を得て毎日の生活を充実させる」という観点から考えると、実は、比較的手に入れやすいスキルで始められる家庭教師や家事代行、あるいは知識や特技を活かしたプログラマー、イラストレーター(同人作家も含む)、デザイナーなどフリーランスの方々も「ライフスタイル起業」の1つと考えることができます。

筆者がライフスタイル企業家に関する研究を読み込んでいくうちに驚かされたのが、多くのライフスタイル企業家が「マーケティング? 事業計画? 成長戦略? それって必要ですか?」と語り、研究者たちも「ライフスタイル企業家には専門的経営知識が欠如しているだけでなく、それらに否定的である」ことが特徴であると指摘していることです。

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