QOL爆アゲ! 成長は目指さずイヤな人とも関わらず「幸せに生きる」ことだけを考える《常識外れの起業スタイル》の始め方

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例えばPetersら(2009)は、多くのライフスタイル企業家に見られる特徴として、低投資・低成長・低関与を指摘しています。低投資・低成長・低関与をよりわかりやすく表現すると、

「できるだけ元手をかけず商売を始めて」(低投資)
「そこそこ稼げる状況を手に入れたらそれ以上を望まず」(低成長)
「自分の幸福を中心に、余計なことはしない」(低関与)

となります。この3つの特徴は、一般的な起業の常識から考えても、企業経営の常識から見ても、「常識外れ」です。

常識外れとはいえ、この特徴を備えた人たちが、ライフスタイル企業家として好きなこと・得意なことを中心に起業して、楽しく充実した生活をしている。つまり確かに彼らの行動は経営や起業の一般常識から見ると「常識外れ」ですが、ライフスタイル起業を目指すのであれば、極めて合理的な行動であると考えるべきでしょう。

実際、筆者が現代日本でひっそりと活動しているライフスタイル企業家を観察していくと、ほとんどの方が低投資=可能な限り元手をかけず手の届く範囲でビジネスを始めています。彼らが低投資でビジネスを始めるのは、よく考えれば当たり前の2つのメリットをライフスタイル企業家にもたらしてくれるからです。

ライフスタイル企業がもたらす2つのメリット

まず、当たり前のことですが、初期投資が低いと損益分岐点が下がります。

例えば、プログラミングを得意とする人がフリーランスのプログラマーとして開業する場合、自宅をオフィスに転用し、作業を手持ちのパソコンで始めてしまえば、仕事をいくつか受注することができるだけで黒字化できてしまいます(賃貸マンションに居住し、在宅で仕事を受注する場合なら、その月の売り上げが家賃を超えたところで黒字化してしまうでしょう)。

このような形で起業を目指す場合、会社を辞める前に取引先や業界内のつながりから、ある程度の案件を受注できる状況で開業するケースが大半です。彼らは綿密な調査や精緻な計画、現実的な事業計画を作ることはありませんが、極めて低リスクに起業を実現しています。

そもそも「起業に際して設備投資は節税対策になるし、将来の事業成長に必要な経費だから」という、開業前後の税理士やコンサルタントにありがちなアドバイスは、「生活に必要十分な稼ぎ」を実現してから考えても間に合うことです。

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