Netflix最多視聴記録が動いた!「イカゲーム」超えの"新王者"はまたも韓国頼みに。歴代1位『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』を解説

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歌いながら作品を楽しみたいというニーズを汲んで、アメリカなどで期間限定の“応援上映”が行われると、北米の週末興行収入ランキング(8月23、24日)で1位を獲得してしまうほどの勢いです。カナダやオーストラリア、ニュージーランド、イギリスでも1000回以上の上映が行われ、いずれも完売だそう。劇場でもヒットを飛ばす作品なのです。

一部の業界アナリストから皮肉まで言われています。というのも、今年はじめにNetflixの共同CEOテッド・サランドス氏が「観客が本当に求めているのは自宅で映画を観ることだ」と話していたからです。この発言とは裏腹に、真逆の反響があったNetflixは今後、劇場公開への消極的姿勢を見直すかどうか、そんな視点からも注目されています。

サジャボーイズ
劇中歌のストリーミング再生数が全世界で30億回を超え、今年最大ヒットのサウンドトラックとなりそうだ(画像:Netflix)

日本では盛り上がりに欠けるが今後は?

一方、日本では海外ほどの熱量は感じられません。配信開始2週目以降、公式週間ランキング映画部門の10位以内を維持し、これまで週間1位まで上昇することもあり、遅れてブームが到来する可能性はなきにしもあらずですが、あえて再びアナ雪と比較すると、決定的に条件が欠けています。

本編は日本語吹き替えでも視聴できますが、何度も登場する劇中歌に日本語バージョンはなく、オリジナルの英語(一部は韓国語)のままです。「レリゴー」を「ありのままの」にするようなローカル版の徹底はありません。

そもそもミュージカル系作品はNetflixとしては新たな試みです。どう対応していくのかが今後の課題となりそうですが、子どもから大人まで見る人を選ばないような作品で成功事例を作り出したことの価値は大きいはず。Netflixなりに学びがあったのではないでしょうか。

【もっと読む】【実写ドラマ《ONE PIECE》シーズン2】ついにお披露目の「チョッパー」は見た目がSNSで話題に!/キャスティングから見えるNetflixの深謀遠慮 では、コラムニストの長谷川朋子氏が、実写ドラマ「ONE PIECE」から浮かび上がるNetflixの深謀遠慮について詳細に解説している。
長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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