21回目を迎えたM-1グランプリ2025決勝戦。筆者もテレビで視聴していましたが、ビジネスマン向けスタイリストという仕事柄、どうしても目が向いたのは「漫才師たちの衣装」でした。
漫才は言葉やネタが主たる構成要素ですが、印象を含めたビジュアルプレゼンテーションという側面も見逃せません。というのも視聴者は無意識のうちに、言葉とともに視覚的情報も受け取っているからです。
この状況は、私たちビジネスマンにとっても当てはまるもの。そこで今回は、「短時間で信頼とキャラクターを伝える印象戦略」について解説します。
M-1コンビの衣装戦略から学べること
最終決勝に残った3組のうち、優勝した「たくろう」と「ドンデコルテ」は、これまで地上波で目にする機会が比較的少ないコンビでした。にもかかわらず決勝ファーストラウンドでは、4分という短時間で「彼らの世界観に一気に引き込まれた」という視聴者も多かったのではないでしょうか。
漫才の中身については他記事にお任せするとして、ここで注目したい点は衣装の果たしている役割です。プレゼンや漫才において、知名度が高くないほど、観客や聴き手は「丁寧に話を聞く姿勢になりづらい」もの。一方で、知名度や実績がある人物の話には、内容以前に「価値があるもの」として耳を傾けやすい傾向があります。いわゆる心理学的にも知られる「有名性効果」です。
それでも「たくろう」と「ドンデコルテ」からは、漫才の早い段階から「どんなキャラクターなのか」という雰囲気が伝わってきたため、すっと中身に没入できた方もいらっしゃるのではないでしょうか。私は、この突破口の一つとして「衣装が一役買っていた」と考えているのです。


















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