「たくろう」と「ドンデコルテ」M-1衣装の凄み 短時間で信頼とキャラクターを伝える印象戦略

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また、審査員である笑い飯の哲夫さんのコメントで、「こんなにも高所得に見えるのに、低所得」というところで掴まれたという発言もありましたが、ネタ前半で自らを「厚生労働省の定めた基準によると、貧困層に属します」や「国も認める低所得」というフレーズと、見た目のギャップで、私自身、一気に掴まれました。言葉と見た目のギャップによる良い裏切りの好例だったのです。

優勝した「たくろう」の衣装のマッチ具合

一方、優勝された「たくろう」については、赤木さんのキャラクターがフィーチャーされがちですが、決勝ラウンドの2本目ネタにおいては、ツッコミ担当・きむらバンドさんの衣装が見事にマッチしていたことも見逃せません。

ビバリーヒルズをテーマにした、外国人の吹き替え風トークを展開するというネタは、新鮮でワクワクすると同時に、普通ならば突飛な設定に聞こえかねません。ところが、不思議なことに、外国人の吹き替え風トークと、きむらバンドさんの印象が絶妙なニュアンスで馴染んでいたため、すぐに世界観に没入できたのです。

くるくるパーマと丸いメガネ、そして「ベージュの明るいジャケットをデニムで崩す」というきれいめカジュアルな組み合わせが、私には「どこか、それっぽい外国風」のビジュアルに映りました。もしダークスーツの衣装ならあのネタの世界観に没入するまで、もっと時間を要していたかもしれませんし、逆に派手すぎる衣装では、コント感が強くなりすぎていた可能性もあったのではないでしょうか。

色やカジュアルさのバランスによって、私同様、一瞬で「こういう設定だ」と素直に受け入れられた方もいらっしゃるはず。もちろん、そういう意図で選んだわけではなく、普段から着用されている舞台衣装ではありますが、少なくとも一視聴者である私にとっては、「意味を感じられる衣装」でした。

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