Netflix最多視聴記録が動いた!「イカゲーム」超えの"新王者"はまたも韓国頼みに。歴代1位『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』を解説

✎ 1〜 ✎ 144 ✎ 145 ✎ 146 ✎ 147
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
辛ラーメン
劇中でルミたちがカップ麺を頬張るシーンとまったく同じ「辛ラーメン」特別版が韓国限定で発売され、マーチャンダイズ展開も進む(画像:Netflix)

柔軟にビジネスを拡大できるのは原作のないNetflix完全オリジナル作品のアニメであることが大きいでしょう。それはもちろんストーリーとキャラクターの良さがあってこそで、作品を企画し、制作したソニー・ピクチャーズ アニメーションの手腕が活かされていると思います。

本作は同社所属の韓国系カナダ人のマギー・カン氏のアイデアをもとに作られ、彼女が脚本と共同監督を務めています。長編映画作品監督としては今回が自身初だそう。過去にはイルミネーション・エンターテインメントで『ミニオンズ フィーバー』のストーリーアーティスト参加やワーナー・アニメーション・グループで『レゴニンジャゴー ザ・ムービー』のストーリー責任者で実績を積んでいます。

有望株のクリエイター起用を応援するNetflixらしい人材でもありますが、ソニーグループとタッグを組んだ戦略性が今回の成功につながったと思います。クリエイター作品の冒頭クレジットのNマークに続くのはソニーのロゴです。Netflixとソニーグループが組んだことが印象づけられています。

自社の総合配信プラットフォームを持たずに、配給からその先のビジネス展開まで「儲ける仕組み」を作品ごとに変えてきたソニーのエンタメビジネス力をNetflixは借りたともいえます。ソニー側は韓国ローカル色の強い今回の作品はNetflixでこそ活かされると判断した目利きがあったのだと想像できます。

サウンドトラックが各国チャートを席巻

ミュージカル仕立ての劇中歌の仕掛けも巧みです。たとえK-POPに興味がなくても、ヒットマーケティングを駆使して生まれたような楽曲はどれも聞き馴染みが良いと感じるはず。名曲感たっぷりです。身体が勝手にリズムに乗るK-POPの醍醐味を表現しています。

サウンドトラックが各国チャートを席巻している状況です。アメリカのビルボード・ソング・チャート「ホット100」で劇中歌の4曲が同時にトップ10入りし、これまでのストリーミング再生数は全世界で30億回以上と、今年最大ヒットのサウンドトラックになることは間違いなさそうです。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事