「受け入れるべき。ただし、かつてのように」…五木寛之が看破した【外国人労働者問題】の本当の論点

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

いま、日本で議論されている外国人労働者問題は、安価で、単純作業のための労働力をいかに確保するか、ということに主眼がおかれています。

その発想は安易だし、どこかに驕(おご)りがあるんじゃないかとも思うのです。そんな考え方をしているかぎり、国は痩せ衰えていくだけです。

異文化を持ち込み、刺激を与えてくれる存在

『あきらめる力』(宝島社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

今後、日本の人口はどんどん減少します。それに伴って、単純労働に従事する人の数はもちろん、新しいアイデアやテクノロジーで時代を切り拓く先駆的な人の数も減っていきます。

だからこそ、これからの日本に必要なのは、「かつてのように」外国人をどんどん受け入れることではないでしょうか。

国際結婚ももっと広まっていいと思います。

スポーツの世界を見れば、テニスの大坂なおみさんや、陸上のケンブリッジ飛鳥さん、野球のダルビッシュ有さんなど、ハーフやクォーターの選手の活躍が目立ちます。

外国人を、安価な労働力として見るのではなく、異文化を持ち込み、日本という国に刺激を与えてくれる存在として考える。

国も企業も、そんな視点を持って、外国人労働者問題を考えなければならないのではないか。私はそう思うのです。

五木 寛之 作家
いつき ひろゆき / Hiroyuki Itsuki

1932年福岡県生まれ。戦後、北朝鮮より引き揚げ。1952年早稲田大学露文科入学。中退後、PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、1966年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、1967年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、1976年『青春の門 筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞を受賞。著書に『蓮如』『風の王国』『百寺巡礼』など多数。2002年、第50回菊池寛賞、2010年『親鸞』(上)(下)で第64回毎日出版文化賞特別賞を受賞。累計300万部超のベストセラー『大河の一滴』中国語版が好評発売中。近作に『五木寛之 セレクション』『人生のレシピ』シリーズなど。2022年より日本藝術院会員。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事