「万人受けしない」けど、気になる映画の魅力 この8作品、お気楽には見られない

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『惑星ソラリス』
『惑星ソラリス』(1972年/ソ連/166分)

ポーランドの著名SF作家S・レムの長編小説の映画化。人間の潜在意識のイメージを実体化する不思議な有機体の“海”が存在する惑星ソラリス。

調査にやって来た心理学者ケルビンの前に現れたのは、10年前に自殺したはずの妻ハリーだった……。

極限状態に置かれた人間の姿を、2時間と46分淡々と描いた哲学的SF映画の傑作。30分過ぎに登場する未来都市は、なんと首都高を走る車から撮った赤坂見附のビル群だ!

『鏡』
『鏡』(1974年/ソ連/106分)

映像詩人とも称される、タルコフスキー監督の自伝的作品。40年前に父がいなくなり、深い悲しみにくれる母の手ひとつで育てられた少年時代。降りつづく雨の日に髪を洗いつづける母の思い出。

その母に似た妻への愛、そして別離。息子をあずかることになった今の自分……。さまざまな記憶の断片、そして心象風景を自らの心の鏡に映し出していく主人公。ストーリーのない美しき叙事詩は、観る者すべてを魅了する。

『ストーカー』
『ストーカー』(1979年/ソ連/161分)

今回の5本の中では、(同じSFの「惑星ソラリス」に隠れてか?)語られる機会の少ない作品だが、個人的には最高評価の作品。原作はストルガツキー兄弟。

隕石の落下なのか?  地上に忽然と出現した謎の空間「ゾーン」。その奥には人間の望みをかなえる“部屋”があると噂され、そこへ危険を顧みず希望者を案内する「ストーカー」と呼ばれる人々が存在した……。同監督お得意の光と水のイマジネーションが圧巻。

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