ガンダム安彦氏が「ORIGIN」に託した情念

シャア・アズナブルは何のために戦うのか

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅱ 哀しみのアルテイシア』は10月31日(土)より全国15館にてイベント上映(2週間限定、配給:松竹)
1979年に初放映されたアニメ「機動戦士ガンダム」が、今年に入って新たに「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」(オリジン)としてアニメ化されている。ガンダムの人気キャラクター、シャア・アズナブルとセイラ・マスの兄妹を軸に展開するガンダムの前日譚というべき物語だ。
2人の父であるジオン・ズム・ダイクンや敵役のザビ家、ジオン軍の面々が歴史上実在した人物であるかのように生き生きと描かれる。それもそのはず。総監督を勤める安彦良和氏は、1979年当時はアニメーターとして「ガンダム」を支えてきたが、その後は歴史を題材にした漫画を多数発表しており、ストーリーテラーとしても注目を集める。
歴史漫画で培った手法を生かして、安彦氏は「機動戦士ガンダム」に独自の新解釈を加えたオリジンをコミックスとして発表。もともと、原作者・富野由悠季氏による善悪を超えたストーリーや深い人物描写が作品の魅力だが、オリジンではその傾向に拍車がかかった。「正史」には描かれなかった行動原理や心の葛藤を知る、いわば歴史ドキュメンタリー番組を見るような面白さがオリジンにはある。
累計1000万部を超える大ヒットの余勢を駆って、コミックスがアニメ化された。10月31日からは第2作「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅱ 哀しみのアルテイシア」がイベント上映される。オリジンで何を伝えようとしているのか。安彦総監督に聞いた。

描ききれなかったことがあまりにも多い

――「機動戦士ガンダム」に夢中になった子供たちも、今では40代。社会の第一線で活躍している世代です。そういう人たちへの思いはありますか。

「思い」というほどではありませんが、描ききれなかったことがあまりにも多く、不満も残った。「ガンダムを知っているよ」という人はいるでしょうが、「だから何?」で終わっちゃうと悔しい。そういう人たちに「ガンダムとはこういう物語だったのだと気づいてほしい」というのはあります。

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