ある種の動物が持つ「第三の目」「第三のまぶた」のスゴすぎる能力――獣医病理医が語る「動物たちのおもしろい体の仕組み」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

アルビノの動物は、虹彩や網膜、脈絡膜にメラニン色素がないために、眼球の中で光がハレーションを起こしやすい状態になっています。写真を撮るときも、太陽光や照明の光がレンズに入り込むことで、ハレーションを起こしますよね。

アルビノの動物は、その珍しさからペットとして人気の種類もいますが、基本的に光に弱い動物なので注意してあげてくださいね。

瞳孔の形が違うわけ

虹彩の真ん中には丸い穴が開いていて、ここが瞳孔です。虹彩には瞳孔を開いたり閉じたりする2種類の筋肉(瞳孔括約筋と瞳孔散大筋)があって、光量が強いときは、瞳孔の大きさを小さくして目に入る光の量を少なくし、反対に、光量が少ないときは瞳孔を大きく開いて光を多く取り入れようとします。

不思議でおもしろい動物たちの「からだの中」の話;獣医病理学者が語る臓器と病気
『不思議でおもしろい動物たちの「からだの中」の話』(緑書房)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

人やイヌは丸い瞳孔をしていますが、ネコやキツネといった夜行性(実際には明け方と夕暮れが活動時間)の動物は、瞳孔が小さくなるときには縦に細長いスリット状の形になります。

縦長の瞳孔のメリットは、瞬時に瞳孔を大きくしたり小さくしたりすることができるところにあります。

ネコを飼っている方は、暗い部屋では大きく丸い瞳孔が、電気をつけたら瞬時に細長い瞳孔に変わるのをよく目にしますよね。ネコやキツネは茂みなどに隠れて獲物を狙う待ち伏せ型の捕食者であり、瞬時に瞳孔の大きさを変化させることで、的確に獲物に狙いを定めることができるのです。

一方、ウシやヤギ、ウマなどは横長の瞳孔をしています。これらはいずれも常に外敵に狙われやすい草食動物であり、横長の瞳孔の方が広い視野を確保するのに有利なのでしょう。

中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかむらしんいち / Shinichi Nakamura

1982年生まれ。大阪府出身。岡山理科大学獣医学部獣医学科講師。獣医師、博士(獣医学)、獣医病理学専門家、毒性病理学専門家。麻布大学獣医学部卒業、同大学院博士課程修了。京都市役所、株式会社栄養・病理学研究所を経て、2022年4月より現職。イカやヒトデからアフリカゾウまで、依頼があればどんな動物でも病理解剖、病理診断している。著書に『獣医病理学者が語る 動物のからだと病気』(緑書房,2022)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事