ある種の動物が持つ「第三の目」「第三のまぶた」のスゴすぎる能力――獣医病理医が語る「動物たちのおもしろい体の仕組み」

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第三眼瞼は角膜を保護したり、涙を分泌して目の乾燥を防ぐ役割を果たしています。

哺乳類のなかでも、砂漠に生息するラクダやミーアキャットは、砂から目を守るために、第三眼瞼がとても発達しています。

鳥類や爬虫類、カエルなどでは第三眼瞼はさらに発達しており、まばたきの際に白い膜が水平方向に動いて目の表面をおおう様子が瞬間的にみられることがあります。

これらの動物では、第三眼瞼はワイパーや保護メガネの役割を果たしていて、砂やごみが目に入ったり、角膜が傷ついたりすることを防いでいます。ペンギンのような水中を潜る動物では、第三眼瞼は半透明をしていて水中メガネのような役割も果たしているのです。

なお、人では目頭にピンク色をした痕跡が残っている程度で、第三眼瞼は失われており、結膜半月襞(けつまくはんげつひだ)と呼ばれています。

イヌやネコが白目をむいたように眠っているのを見かけることがありますが、あれは眼球の筋肉が眼球を後ろに引っ張ることで、第三眼瞼が目の表面におおいかぶさり、白目をむいたように見えているのです。

イヌや、ときにネコでは、第三眼瞼が先天的な異常やけがなどによって赤く腫れ上がって突出するように見えることがあり、この状態をチェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱)と呼んでいます。

チェリーアイを放置すると、目に炎症が起きたりドライアイの原因になったりするので、早めに動物病院に連れて行ってあげてくださいね。

ウサギの目が赤い理由

瞳の色は黒色や茶色、グレー、青色など人によって異なりますが、これには瞳(虹彩)に含まれているメラニン色素の量が関係しています。メラニン色素が多いと黒っぽくなり、少ないと青くなります。

白いネズミやウサギは、目が赤いですよね。このように全身が白い動物はアルビノといって、先天的にメラニン色素をもっていません。

虹彩や網膜や脈絡膜といった目の構造にもメラニン色素がないために、中の血管が透けて見え、赤い目になるのです。

虹彩のメラニン色素は光を吸収し、余分な光を目に入れないようにしています。網膜のメラニン色素は、光を感じ取る視細胞を保護しています。また、脈絡膜のメラニン色素も、瞳孔以外から余分な光が入ってこないようにしています。

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