「アニメのコラボカフェは、高いのにまずい」と投稿したら大炎上…。それでも私が「まずくても受け入れろ」に異を唱えるワケ
そんな首領パッチがクリスマスパーティ会場に「ちくわパーティしようぜ!」と乗り込むシーンがある。筆者は、そのシーンをモチーフにした、油で揚げただけのギトギトのちくわを注文した。

ご想像の通り、味はお世辞にも褒められたものではなかったのだが、首領パッチが持ち込んだちくわという設定を感じる体験に価値があるため、それだけで喜んでしまった。究極の映え重視コンテンツと言えばイメージしやすいだろうか。
キャラクターやアーティストらしい見た目のメニューの写真を撮り、SNSにアップして共有する。いわゆる推し活の一部として消化するのがコラボカフェというコンテンツなのだ。
そして、その結果、「コラボカフェは食事をする場所ではない」と考えるオタクが生まれる。コラボカフェでもらえるノベルティがメインであり、食事はただの付属物だと考えるのだ。
「味は二の次」でも通ってしまう理由
多くのコラボカフェでは、「〇〇円以上の注文・グッズ購入で特典をプレゼント」というノベルティキャンペーンを実施している。
ノベルティと称したペラペラのシートやコースター・ステッカーが多いのだが、オタクという生き物はこうした特典商法にとことん弱い。多くのオタクがノベルティを手に入れるために、特典をもらえる一定の金額になるまで注文・購入してしまうのだ。
一般的なビジネスにおいても、消費者は「限定」「今だけ」「〇日まで」という煽り文句に弱いのだが、オタクは特に顕著だ。こうしたノベルティの多くはランダムにもかかわらず、そこに推しの姿があるなら、追い求めずにはいられない。オタクは、目当てのノベルティが引けるまで複数回来店したり、たくさん注文したりして、売り上げに貢献し続ける。
食事の味が微妙なのを我慢し続けた結果、目的と手段が入れ替わったという悲しい結果なのだが……。