「目」や「経験」に頼る医師はもういらない?――AI搭載で便座や洗面台、マットレスが"病気の徴候"を見つける時代に

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AIと医療
名医の「目」や「経験」に頼る時代は終わりを迎えつつあります(画像:Graphs/PIXTA)
名医もヤブ医者も、AIの前では意味を失う──。
診断・治療から介護の現場まで、AIが深く入り込む時代が迫っています。人間にしかできない「寄り添い」や「対話」は残りながらも、人工知能はすでに人間の経験や勘を凌駕しつつあります。AIが医療と介護の未来に、そして究極的には「人間という存在」そのものに、どのような変革をもたらすのか。
ベストセラー『未来の医療年表』の著者、奥真也氏による新刊『AIに看取られる日 2035年の「医療と介護」』より一部抜粋・編集してお伝えします。

ビッグデータで超早期にがんを発見

AI診療の時代が到来することで、臨床の現場が一変するのは間違いありません。ただAI医療が機能するには、AIが解析する膨大な医療データが収集され、蓄積されていることが1つの前提となります。

医療分野のビッグデータは、臨床の現場で役立つだけではありません。AIに分析させることで、これまで治療不可能と考えられてきた難病の治療法など、医学上の画期的な発見がなされる可能性があります。

最近では、AIを活用したがんの超早期発見の成果が2023年から2024年にかけて各地で報告され、市場の熱気を高めています。

イスラエルの大手医療機関Clalitでは、2023年以降、大規模医療データとAI解析を組み合わせた予測医療が浸透し、診断精度や治療計画の質を引き上げています。

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