『チェンソーマン』は"映画こそ真骨頂"なワケ。公開迫る劇場版《レゼ篇》を見た筆者が解説!『鬼滅の刃』『呪術廻戦』に続ける?【画像11枚】
混み合うシネコンで大作映画をいくつも見るが、お互いにありきたりな感想しかない。そして、何本も映画を見たその日の最後に、単館系映画館のガラガラのスクリーンで、人生を淡々と描くような外国の小規模な映画を見る。鑑賞後ふたりで涙し、その映画に出会えたことで1日に満足する。
本編ストーリーとは直接関係のないエピソードだが、そこには昨今の商業大作至上主義の映画製作・配給会社やシネコン、世の中的な話題作ばかりをもてはやすメディアや世間への問いかけがある。
それは、『ルックバック』で漫画を描き続けることの意義を唱えた原作者・藤本タツキ氏の映画というメディアへの愛であり、未来への願いを込めたメッセージなのかもしれない。
本作にはそんな階層の深さがある。観客それぞれに気づきやおもしろさがあるはず。ただおもしろいだけのアニメ作品とは一線を画する奥行きのある仕上がりになっている。
興収100億円台も夢ではない?
そして、上映時間が99分と見やすいことも付け加えておく。その尺でも、体感は155分の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』と変わらない。十分な見応えと充足感があり、それは上映時間の長さにはよらないことを改めて感じさせられる。
では、本作はどこまでのヒットになるか。大きな目標は劇場版『呪術廻戦 0』(138億円)であり、100億円の大台だろう。難しいかもしれないが、そのポテンシャルは十分ある作品だ。ここ最近の映画館ブームの流れが追い風になれば、夢ではないだろう。

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