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ライフ #記憶に残る喫茶店を訪ねて

「パンもカレーもあって、フルート演奏も聞ける」「なのに店主はワンオペ」65歳店主、命の危機を乗り越えて"物語のある店"を続ける理由

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喫茶コーナー。当初はパンの製造・販売のみだったが、パン屋だけでは店が続かないと思った久米さんは食事メニューも出すようになった(筆者撮影)
トースト・サラダ・ベーコンエッグのモーニングはコーヒーまたは紅茶付きで700円(筆者撮影)

「店で文化をつくりたい」

マスコットガールのリビエラちゃんのパネルと久米さん(筆者撮影)

久米さんは神戸の老舗ベーカリーをはじめ、個人店、焼肉屋、家庭教師など多種多様な職を経験。30年ほど前に元のオーナーから店を引き継ぐ形で独立した。規模拡大も考えたが、「1カ所で文化をつくる」「遠くからでも来てもらえる店をつくる」方向に舵を切り、現在も1人で切り盛りしている。

「商売を始めたときに、遠いとこからでも足を運んでもらえる店にしたいなぁって思ってん。せっかくやるんやったら、一つの文化にしたいなぁって。やり方としては、チェーン店にして大きく広げていくか、1カ所で文化を育ててお客さんに来てもらうか。僕の性格に合うのはやっぱり後者やなぁって。最初は『もっと大きくせな』って考えてたんやけど、何年か経ったら無理があるなって気がついてな。結局1人でやる形に落ち着いて、今に至ってるんよ」

温かい人柄がにじみ出る語り口でわかる通り、久米さんは親しみやすい関西のおっちゃんである。しかし、久米さんの働きぶりは壮絶だ。長年、早朝から深夜まで働き、寝泊まりするのは店。毎日、気絶するように店の床の上で眠り続けた。自宅は店から徒歩15分の場所にあるが、布団で寝るのは年に数日だけだったという。

トッピングの種類が豊富な玉造カレー(800円)。常連客の意見をもとに味を仕上げた名物メニュー(筆者撮影)
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