「食べてくれない」が最大の壁? いい成分だけでは売れない"猫用サプリ"開発の舞台裏

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DHCが展開するペット用サプリ(筆者撮影)

サプリメントや機能性食品へのニーズの高まりの波が、ペット市場にも訪れている。目立つのがヒト用の食品、薬品を手がける大手メーカーの参入だ。

ロート製薬は2022年にコンパニオンアニマル事業に参入し、2024年5月に「ロートV5わん」を発売。大正製薬は「わんビオフェルミンS」「にゃんビオフェルミンS」を2024年12月に発売した。

ペット用サプリ市場は約100億円

また早期参入派も存在し、サントリーは共立製薬と開発した「Pet Health セサミンE」を2006年から、DHCは2007年から犬用のサプリメントをシリーズで発売し、2017年から猫用の販売を開始している。

猫用サプリに関して、ネット通販サイト売れ筋を見ると、乳酸菌などの腸の健康、経口補水液、腎臓ケアが上位となっている。また「モエギイガイ」という成分を配合したものも人気だ。

早期にペット市場に参入したDHCによると、猫用サプリの売上高1位で、発売以来5年間の成長率が約30%となっているのが「オーラルケア」(1980円・目安:60日分)だ。歯や口の中をキレイに保ち、口内の健康をサポートする。歯肉炎になると水や餌を取らなくなるため、予防のために与える。

また犬・猫用の「モエギオイル」(60粒入り2600円/目安:5kg以下の猫で60日分)は発売後3年の成長率が約70%。ネット通販で売れ筋のものと同様、モエギイガイのオイルで、関節、皮膚・被毛、神経・認知機能の健康維持に向けた商品だ。

「モエギオイルは動物病院でも販売されているモエギイガイ由来成分の商品に着想を得て開発しました。ペット用サプリの市場100億円のうち、およそ50億円が関連の商品です」と、DHCアパレル・ペット事業ユニット ペットグループ 課長の渡邉義晃氏は言う。

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