「食べてくれない」が最大の壁? いい成分だけでは売れない"猫用サプリ"開発の舞台裏

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同社ではマッチングが成立した客(飼い主)に対し、特典としてミルクサプリやECサイトで使えるクーポンを渡す。まずは同社のサプリメントを試してもらい、その後も長く利用してもらう。マッチングが増えるほど、サプリメントの客も増える仕組みだ。

「ECは価格競争になりやすい市場ですが、私たちは“価格以外の価値”をお届けできるよう独自商品を展開しています。初めてペットを迎えるときには迷いがちなフードやサプリ選びですが、最初に手に取ったものを“信頼できる基準”として続ける方が多くいらっしゃいます」(インターペットEC事業マネージャー)

子犬や子猫に与えるサプリとして乳酸菌を選んだ理由についても聞いてみた。

「乳酸菌は腸内環境の維持に役立つとされており、日々の食生活に取り入れることで健やかな成長をサポートできると考えています。新しい環境に移る際の変化にも、やさしく寄り添えるような商品にしたいと思いました」(マーチャンダイザー)

科学的根拠がいっそう重要に

同社は2020年より、ペット保険を中核とするアニコム ホールディングスの子会社となった。「ペットの病気や怪我の予防」を重視するグループ方針のもと、サプリメントを含む多様なフードを、科学的な知見を参考にしながら展開していくという。

以上、成長するペットのサプリメント市場について見てきた。サプリメントは、あくまで食品であって医薬品とは異なる。薬機法上効果をうたってはいけないし、使う人が「なんだか調子がいい」と思えることが続ける動機になる。

今回ペット用においても、飼い主の「自分も使っているから」という体感が、購入動機につながることがわかった。ペットが家族化し、高価でもお金を出す飼い主も増えている。それだけに、作用の科学的根拠についてはいっそう重視されるようになっていくだろう。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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