「何で入社早々から小難しい勉強をさせるの? もっと、仕事の基本とか挨拶とか徹底的に教えないと生意気な後輩ばかり増殖して困る」
と英才教育に文句を発する先輩社員は少なくありませんでした。ただ、世間では若者は3年で3割辞めると退職率の増加が問題になっていた時期。
「大学を卒業して入社した会社なんて腰掛け、そこからジャンプアップして次の職場を目指すのが当たり前」
と第二新卒市場と呼ばれる入社間もない年次での転職がブームになり、人事部は頭を痛めていました。組織に配属後「研修で教えてもらったルールと違う」と不満を言い出すとか、仕事を任せるとできない理由ばかり挙げるメンバーが増えてしまったようです。現場からすれば余計な知恵を授けたと思ったことでしょう。
そこで反省した会社には「現場の仕事のやり方は現場で教えるべき」との発想が生まれ、OJTに回帰することになっています。ただ、現場で指導することになるといろいろ準備が必要になります。たとえば、
◆1年間の育成計画
◆育成担当の設定
◆育成担当同士の情報交換
など、通常の業務に加えて負担がかかります。そんな役割を誰が担うのか? 入社2年目の先輩社員が適任。身近な指導を受けた経験を踏まえて適切な育成計画を立てられるからです。
よき兄貴のようにやさしさを備えつつ、職場の先輩として厳しい指導を使い分けることが期待されます。実際に育成担当になることでいちばんの成長機会を得られるのは、自分自身。育成担当を任されたならチャンスと感じて前向きに取り組んでいただきたいものです。
1964年10月21日、東京都生まれ。86年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。96年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(小社刊)など。
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