先輩の命令は絶対……は過去の話。最近は納得させてやる気にして約束(commitment)を取りつける丁寧なマネジメントを求められる時代になりました。なので、職場で先輩社員は後輩の育成に頭を痛めています。食品商社に勤務するDさん(33)は上司から
「文句を言うのは10年早い」「無理ですと答えてはいけない」
と、封建的な組織のルールをたたき込まれてきました。それゆえ後輩と対話して理解を求めるマネジメントなど「無駄」と感じてしまう体質。ところが職場で人事部から、
《後輩に対して上位下達な指導は慎むように》
と教育的指導が入りました。どうやら人事部に告発が相次いだことが起因して、打ち出された指導のようです。
「時代が変わったということだろうが、それじゃ仕事を任せるのに時間がかかって仕方がない」
納得はできていない様子。そんな先輩が苦悩を感じる話はよく聞きます。ただ、価値観が大きく変化して過去の育成法に納得せず対立に至るトラブルも起きているのは事実。何事も、説明責任(accountability)を求める時代になったことを痛感させられます。
このような先輩社員の悩みを象徴する出来事が起きたのはネット広告を取り扱うG社。
「そんなむちゃしか言えない先輩たちの指示にはついていけません」
と職場で激しい口論が勃発。きっかけは「新入社員の卒業式」というイベントのルール説明。このイベントは新入社員が1年間の社会人経験を通じて「自分がどれだけ成長できたか?」を振り返る機会として恒例の企画。成長の軌跡を語る姿に感動の涙のありで10年以上も続いてきました。
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