結局は上司が仲介に入って取りまとめようとしていますが、対立状態の修復には時間がかかりそうです。はたして卒業式は執り行えるのでしょうか? 心配です。
さて、ここで後輩たちにも言い分を聞いてみることにしましょう。すると意外にも?「やりたくない」と文句を言っているのではないことがわかりました。詳しく話を聞いてみると
「やるからには納得できる発表をしたいのでいろいろ質問や提案しただけなのに……」
と至ってまじめに考えていました。あいまいな条件設定で参加者に不満が出ないようにとの配慮もあるようです。さて、このように職場で
・失敗覚悟で適当に考える先輩たち
・失敗を恐れて詳しく聞きたい後輩たち
このような価値観の違いから対立が生じているケースはあちこちにあるのではないでしょうか? こうした対立をどうしたら埋められるか? いちばん簡単なのは後輩たちの価値観を尊重するやり方。
「ただし、こっちが合わせたのだからしっかりやってくれよ」
こうした大人の対応を先輩社員が示すべき。結果として、期待どおりの成果に近づくはずです。先輩としてのプライドで後輩に対して上から目線で対処するのは得策ではありません。さて、先輩と後輩の対立が起きたG社では上司が、
「今年からルールを詳細に決めることにしよう」
と妥協案を提示したところ、後輩たちは前向きに受け入れて卒業式はつつがなく執り行える状態になったようです。ただ、
「そんなに後輩を甘やかしていいのでしょうか?」
とPさんだけが納得できていない様子。古いマネジメントに慣れてしまった体質改善をしていただくという課題は残ったままのようです。
1964年10月21日、東京都生まれ。86年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。96年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(小社刊)など。
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