糖質は制限はしないほうがいい…「サビない腸」をつくるのに役立つ意外な食べ方

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糖質は「制限」しないほうがいい

ただ、「糖質は控えめにする」とはいっても、まったく摂らなかったり極端に量を少なくしたりするのはNGだと考えてください。糖質は体と脳を動かすのに欠かせないエネルギー源です。絶対に不足させるようなことがあってはいけません。

それに、水素産生菌のフィルミクテスは、主に炭水化物や甘いものなどの糖質を摂ることによって増えることが分かっています。あまりに糖質摂取を減らしてしまうと、フィルミクテスが減り、全体の水素産生量が減って、活性酸素が幅を利かせてしまうことになるかもしれません。

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つまり、「糖質制限」をする必要はないということ。糖質に関してはあくまで「食べすぎない」「ちょっと控えめを意識する」というスタンスをとるのが大事であって、度を超えて制限したり減らしたりするのは、かえって腸内環境によくないと考えたほうがいいでしょう。

むしろ、ごはん、パン、麺類などの主食の糖質は「(控えめの量を)毎食ちゃんと摂る」ことを意識すべきです。できれば、五穀米、玄米、全粒粉パンなどの精白されていない穀物を摂るよう習慣づけていくと、いっそう腸内環境を整えるのに役立ちます。

また、ケーキやおまんじゅうなどの甘いお菓子を食べたりスナック菓子を食べたりするのも「たまに」であれば、まったく問題ありません。毎日デザートを食べたり一度に大量に食べたりするのはいけませんが、そんなに厳しく減らそうとしなくてもいいでしょう。

そして、このように「何をどれくらい食べるべきか」を整理していくと、別にそんなに我慢しなくても、過不足なく普通に食事をするだけで「サビない腸活」を実践できることが分かるはずです。

だからみなさん、ぜひ日々「サビない腸活」を習慣づけて、水素の力や短鎖脂肪酸の力を十分に引き出しつつ活性酸素を撃退していくようにしてください。そのうえで腸の中から体のサビつきを防いでいくようにしましょう。

小林 弘幸 順天堂大学医学部教授、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

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こばやし ひろゆき / Hiroyuki Kobayashi

1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。

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