「そうめん調理は重労働」→「付け合わせがない人は育ちが悪い」論点すり替えでSNSが大荒れ…何気ない投稿に日本中がヒートアップしたワケ

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問題は「多数派の自分たちにマウントを取っている」というコメントを見つけたら束になって叩こうとするネット上のムード。

「本来どちらでもいいことに対立構造を生み出し、名前も顔も知らない誰かを多数で叩こうとする」とという罪深さを感じさせられます。

「冷やし中華」でも「スイカ」でもよかった

最後に議論がヒートアップした4つ目のポイントは、常にほどよいネタを探しているネットユーザーの日常。

「育ちが悪い」論争の中に、「お盆にそうめんでこれだけ盛り上がれる日本って平和だな」というニュアンスのコメントをいくつか見かけました。

そうめんは誰もが知っている夏の風物詩でありながら、あまり話題になることが少ない食べ物。ラーメンのように熱狂的なファンは少なく、さほどこだわりがない人が多いという語りやすさも含め、季節性が高い割に議論の余地が多いテーマの1つでしょう。

今回のケースではその語りやすさに加えて「付け合わせがない人は育ちが悪い」という否定が多そうなネタが投下されました。

「そうめんの付け合わせに正解がないことはわかったうえでこれを棚に上げつつ、叩けそうなところをピックアップして盛り上げよう」という意図を感じさせられたのです。

コメントを書き込んだ多くの人々にとって、付け合わせどころか、そうめん自体に、それほど言いたいことはなかったのではないでしょうか。そのテーマは、冷やし中華でも、すいかでも、かき氷でもよく、今日これらが議論の中心にすり替わっていても驚きはありません。

ただ、ネット上においても「『育ちが悪い』というコメントはけしからん」という対立構図をけしかけるようなコメントは、できるだけスルーできる世の中でありたいところです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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