ホリエモン《東洋大Fラン騒動》に垣間見えた「学歴厨」が量産される日本社会の根深すぎる問題

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

8月8日には百条委員会への「卒業証書」提出を再度拒否。翌9日には「行政の透明化に努める」と表明したが、疑惑の根幹にある卒業証書の真偽は依然として明らかにされていない。

この問題が報じられると、インターネット上ではさまざまな意見が飛び交った。 その中でも炎上するきっかけとなったのが、実業家・堀江貴文氏が7月8日にX(旧Twitter)へ投稿した一言だった。

「Fラン私大の学歴詐称なんかどーでもいいだろ」

この投稿に対して「東洋(大学)までFランにしないで」という反論が寄せられると、堀江氏はその声を引用しつつ、「え?Fランじゃないの??」と困惑しながら反応した。

「Fラン大学」は一般的に偏差値35未満の大学を指す言葉だ。Xユーザーがこの点を指摘すると、堀江氏は「さらにどうでもいいFランの定義。てか偏差値35ってやっと読み書きできるレベルやろ」と投稿した。

ちなみに、東洋大学の2025年度入試における偏差値は、予備校の東進によると50~65、河合塾では40.0~57.5といった水準であり、いわゆるFランには該当しない。

東洋大学は「日東駒専」と呼ばれる私立大学群に属する総合大学。箱根駅伝での活躍もあり、その名は広く知られている。

中退とはいえ、自他ともに日本の最高学府と認める東京大学を受験し合格した堀江氏にとって、東洋大学は眼中になかったようだ。同様に、東大法学部を卒業した静岡県出身の30代の人は「関関同立って、すべて京都にあるのかと思っていました」と話していた。

「偏差値カースト」がはびこる事情

偏差値のみで人を序列化する傾向に、言いたい放題文化のSNSが拍車をかけている。もっとも、昭和の時代から、高学歴の人、そうでない人の特徴を単純に一般化する発言は聞かれた。

「高学歴だから仕事ができるとは限らない」という意見は正論であり、実際にそのような現象は多くの企業や組織で見られる。一方で、「高学歴の人は仕事ができる」という見方も否定できない。

ただし近年は、高学歴か否かにかかわらず、日本では謙虚な君子が減ったようだ。 逆に、「偏差値カースト」「格差社会」が定着し、自己肯定感、自己主張、承認欲求が非常に強い自信過剰なエリートが増えた感がある。

次ページなぜ「偏差値カースト」がはびこるのか
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事