その天空もいよいよ、ラストスパートを迎えている。南海電鉄は2025年5月、天空に代わる新たな観光列車を2025年度末に運行すると発表した。難波駅の1番線を新観光列車専用ホームに模様替えするほどの力の入れようだ。
新観光列車は「2000系」を改造した4両編成で難波―極楽橋間を直結。車内では食事も提供する。「パノラマビューを楽しめる車窓」というコンセプトは天空と同じで、候補の中から一般投票を踏まえて決める列車の名称にも「天空」あるいは「TENKU」が盛り込まれる見込み。一方、車体カラーは「落ち着きのある深紅」を基調とし、高級路線を意識した車両になりそうだ。
天空乗車のラストチャンス
南海電鉄の広報担当者によると「天空の引退時期は未定で、引退後の車両がどうなるのかも未定」という。
既存の電車を改造した観光列車は、近畿日本鉄道では「青の交響曲(シンフォニー)」(2016年登場)、「あをによし」(2022年登場)が人気を集めている。関西以外にも東武鉄道の「スカイツリートレイン」(2012年登場)、西武鉄道の「52席の至福」(2016年登場)、西日本鉄道の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」(2019年登場)などがある。
大手私鉄で先駆けとなった天空は代替わりの時期を迎えた。予約方法がアナログな点も含め、古参の観光列車らしい旅を味わうならいまのうちだ。

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