南海電鉄の観光列車「天空」のまだ知らない一面 高野線山岳区間が専門、車両自体がレアな存在

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2200系は、南海から貴志川線(和歌山―貴志間)を引き継いだ和歌山電鉄で活躍するほか、2023年には千葉県の銚子電気鉄道に譲渡され「22000形シニアモーターカー」として新たな人生を歩む。

南海では通称・汐見橋線(高野線の汐見橋―岸里玉出間)と支線に残っていたが、2025年春に天空の改造車両を除いて全廃となった。いまや天空は使用する車両自体がレアな存在になっている。

改造工事のときに現場の主任だった運輸車両部検車区小原田検車の林田和博区長は「世界遺産に登録された高野山へ海外や日本各地から訪れるお客さまのおもてなしの1つとして観光列車を作った」と登場の経緯を説明する。

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登場時の担当者に聞く

とくに走行中に扉を開けられる展望デッキの設置や、温かみを出すためにふんだんに木材を使った車内には工夫を凝らしたという。

林田区長は「既存の材料にないものが多く、展望デッキの柵などはオーダーメイドで作ってもらった。難燃性が求められるなかで木材を多用することは社内でもなかなかの苦労があった」と振り返る。

すべてのブレーキシューが雪に強い「鋳鉄制輪子」であることなど、足回りにもほかの車両にない特徴がある。台車部分は「空気ばね式でなく昔のコイルばね式なので乗り心地はあまりよろしくないかも……」(林田区長)。

南海 小原田検車 林田和博区長
運輸車両部検車区小原田検車の林田和博区長 (記者撮影)
【写真】支線用の2200系車両を再改造した観光列車「天空」。その外観を改めてじっくりと見てみる
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