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口先だけの"ポッと出"の企業には真似できない…100年続く「老舗企業」が貫く《キレイごと》の凄み

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  • 日比野 大輔 労務管理事務所フォージョウハーフ代表、(一社)100年企業研究会代表理事、特定社会保険労務士
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ポッと出の企業には真似できない、外部から邪魔されない経営システムを作り上げていることが次第にわかってきたのです。

ある100年企業の経営者は、厳格に同族への事業承継を行う理由を、「想いや哲学をより純粋に承継するためだ」と言います。

経営を一族で継承することで、理念や価値観はブレなく伝わっていく可能性が高まる。「自分の代だけ良ければいい」「自分が採用した社員だけ育てばいい」ではなく、一人ひとりの社員を長い目でみて、先々の成長を支援する。社員の老後のことまで考えた雇用ができるのです。

西洋型ビジネスからみて理解不能な「暖簾分け」

『100年続く老舗企業が大事にしていること』(日本実業出版社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

老舗飲食店などでみられる「暖簾分け」も、社員の独立・成長を支援する仕組みです。

似た制度として「フランチャイズ」がありますが、暖簾分けとは大きな違いがあります。フランチャイズでは、親会社(本部:フランチャイザー)は、子会社(加盟店:フランチャイジー)から看板料やロイヤリティを徴収し、利益を最大化しようとします。

要は、親会社の利益を最大化することを目的とした戦略です。

一方、暖簾分けでは、暖簾元はお金を取るどころか、技術や信用、ブランドといった無形の資産を惜しみなく分け与え、独立を支援します。

そこには、「子を育てる親」としての姿勢があり、搾取ではなく共存共栄の精神、親が子の幸せを願う気持ちが表れています。

100年企業で、ごく自然に行われる暖簾分けは、西洋型のビジネス理論では「理解不能な戦略」です。

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