【ベトナム現地ルポ】マンション価格が5年で爆上がりエリアも! 日本も参画、10年で激変したマンション市場の最前線

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

東急は、ホーチミン市の中心部である1区内でオフィス賃貸事業を行っている。3つ目の事例であるこちらは、2023年11月に竣工したオフィスビル「The Nexus(ザ・ネクサス)」。地上35階・地下5階建てで、ホーチミン市で希少性が高い、グレードA品質を備えている(※)。

※グレードA品質:立地条件、設備、デザイン、管理体制などに優れ、高品質であること

ベトナム
「The Nexus」は1フロアあたり1000平米以上という大規模なオフィスビル(写真提供/The Nexus)

ベトナムのオフィスビルで初めてWELL Core認証を取得

1階ロビーにはカフェ、広場に面したレストラン、19階にはフィットネスジムがあり、健康で快適なワークスタイルをサポート。ベトナムのオフィスビルで初めて、建物の環境性能と運営品質を評価するWELL Core認証を取得している。

これらが世界的企業から評価され、SAPなどのIT企業、世界銀行グループであるInternational Finance CorporationやJ.P. Morganといった世界的な大手企業や、三菱UFJ銀行やキーエンスベトナムなどの日本の主要企業が入居。9割以上の高稼働を実現している。

プロジェクトを主導し、昨年、「不動産業界に多大な影響を与えたリーダー」に贈られる個人賞「Real Estate Personality of The Year」(※)を受賞し、「今年のベトナム不動産の顔」として選出されたベカメックス東急の前社長・呉 東建(おう・どんごん)さん自身も“マスターピース(傑作)”だと自負。

※東南アジアの大手不動産情報サイト運営企業であるプロパティグル社が主催する、1年を通してベトナムにおける不動産業界内で最も優れたデベロッパー、プロジェクト、デザイン、イノベーションを表彰する権威のある賞の一つ

「テナント誘致も東急が積極的に関わっています。これだけのそうそうたるテナントの数々を誘致できたのも、東急の日本での実績があったからです。例えば、世界の一流企業が利用するシェアオフィス『The Executive Centre』も、渋谷の弊社のビルに入居しているというつながりがある」(呉さん)

「The Nexus」の開発・運営に関わった東急の100%子会社・東急モールズデベロップメントは、ローカルデベロッパーとマイナー投資、ホーチミンでのTOD(交通指向型開発)案件も検討しているとのこと。ベトナムでの海外事業がますます加速していくだろう。

そして4つ目、最後の事例は、東急のベトナムでの動きとして代表的な「TOKYU Garden City」プロジェクトだ(このプロジェクトの詳細は別の記事にて、ここでは概要を紹介する)。

ベカメックス東急(現地の大手デベロッパーで、ベトナム最大のインフラ投資開発会社(主に工業団地など)「ベカメックスIDC(Becamex IDC)」と東急の合弁会社)が、ベトナム南部にあるビンズン省(ビンズオン省とも呼ぶ)、ビンズン新都市で手掛けている大規模開発プロジェクトだ。(※)

※注釈:ビンズン省は、2025年7月1日にホーチミン市およびバリア・ブンタウ省と合併し、新たなホーチミン市の一部となっている。

ベトナム
「TOKYU Garden City」は、ベカメックス東急が、東急株式会社とBECAMEX IDC両社のノウハウを活かして展開する新都市内の開発エリアの総称(画像/ベカメックス東急)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事