制作手法にもこだわりがある作品です。一コマ毎に少しずつ動かして撮影し、それを連続再生することであたかも動いているように見せるストップモーションアニメのスタイルで制作されています。
喜怒哀楽な表情もダイナミックな動きもすべて、手間と時間をかけて作られているかと思うと愛おしくもなります。クロミちゃんの感情に合わせて、ピンクのドクロマークまで動く徹底ぶりなのです。
監督は知る人ぞ知る見里朝希。SNSでバズったストップモーションアニメ「PUI PUI モルカー」の原案・脚本・監督を手がけた新進気鋭のクリエイターです。制作体制も手堅く、アニメ「進撃の巨人」(シーズン1~3)や「SPY×FAMILY」を代表作に持つWIT STUDIOが立ち上げたストップモーションスタジオTORUKUで作られています。
なぜか日本では初週で「週間ランク外」に
人気キャラクターを使ったストップモーションアニメ作品として、配信前からヒットは期待されていたように思います。
まったく別の会社になりますが、サンエックスの人気キャラクター、リラックマを起用した「リラックマとカオルさん」がNetflix日本発ストップモーションアニメの成功事例をすでに作っていたことが大きそうです。辛口の批評サイトで知られるアメリカのRotten Tomatoesで批評家から大絶賛、一般部門は92%と高い評価を獲得した実績があります。

明らかに大人をターゲットにしたリラックマのシリーズとは違いがあるものの、7月24日からNetflixで全世界配信された「My Melody & Kuromi」初週の成績は文句ないものです。
冒頭の通り、Netflix公式ランキングの非英語シリーズ部門で世界2位です。1位の韓国ドラマ「イカゲーム」最終シーズンと3位の日本のアニメ「ダンダダン」シーズン2に挟まれてのTOP3です。世界59カ国で週間TOP10入りを果たしています。マレーシアでは週間1位になるほどの人気です。
ただし、なぜか日本では数字を伸ばせていない不思議な現象も起こっています。配信開始直後にデイリーランキングでTOP10入りするも、週間ではランク外の結果に。
要因を考えるとすれば、話題性を保証するようなアイドルやスター俳優の声優起用がなかったことぐらいでしょうか。ただ、マイメロとクロミちゃんそのものが人気者とあって頼る必要がなかったという判断なのかもしれません。
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