マイメロディとクロミが主役!《サンリオ》の“ストップモーションアニメ”が「Netflix世界2位」に躍進のワケ 

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とりわけZ世代から支持されていることが強みにあります。有力IPをさらに拡大させようと2021年から「世界クロミ化計画」が始められ、庶民の味方である「吉野家」や「スシロー」とのコラボレーションから、サンリオの競合とも言える「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」でステージを企画するものまでその内容はさまざま。

節操がないとは言い過ぎですが、何色にも染まってブランディングを成功させてきたキティちゃんの文脈から考えると納得できるものです。

2025年の今年はマイメロ50周年、クロミ20周年にあたります。「世界クロミ化計画」の目玉としてアニバーサリーイヤーを盛り上げるべく、Netflixで7月24日から世界独占配信が始まったというわけです。

「アタイは!生活が!苦手だ!」

マイメロとクロミちゃんをW主演に1話約13分、全12話で1つの物語が完結します。正反対の性格の2人が自分たちの住むマリーランドを舞台に、街の運命を揺るがす大事件に立ち向かっていくというオリジナルストーリーです。

パステル調の色彩とモフモフ感、そして優しい語り口に包まれた世界観は一見すると、幼児向け作品のように見えますが、侮るなかれ。キャラクターたちは息が吹きこまれたように生き生きとした表情で、それぞれの感情の深みまで味わえるはず。あらゆる年齢層に語りかけてきます。

友情と冒険をテーマにした、ありがちの内容だけに終わらないのがミソ。本来の自分を受け入れ、自分に素直になることへの人生哲学がさりげなく表現されています。マイメロとクロミちゃんそれぞれのリアルな葛藤に思わず共感してしまうかも。

クロミちゃんはZ世代から支持されるだけあって、他の仲間に認められたいと思う承認欲求に左右されたり、孤独を感じたりと、複雑な乙女心が巧みに描かれています。思わず叫ぶ「アタイは!生活が!苦手だ!」の発言も憎めません。

ストップモーション
街の運命を揺るがす大事件に立ち向かうダイナミックな動きもすべてストップモーションアニメで制作されている(画像:Netflix)
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